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そんな私の疑問を払拭するように、刑事は私が書き込むことができなかった犯罪端末、そのスケジュール表の空白の期間を開いて、私に見せつけた。
「この端末は、我々、警察がばらまいたものだ!見ろ!お前が、書き込むことができなかった期間。優先されているスケジュールを」
見せつけられたスケジュールには、しっかりと予定は書かれていた。しかし、それは犯罪である私にとって決して喜ばしい内容ではなかった。
『○月△日 警察に逮捕される。 ○月○日~□日 裁判。 ○月末 収監』
スケジュールには私が逮捕され、出所するまでの予定がビッシリと書かれていた。まんまと、警察の罠に私はハメられたという訳か。
「な、何故だ。どうして、警察が犯罪端末をばらまいたりなんか・・・!」
私は罠にかかり捕まった悔しさよりも、警察の不審な行動の方が気になって仕方がなかった。
すると、刑事は犯罪端末をしまいながら言った。
「警察だって、国家の端末のようなものだ。役目がなくなってしまえば、不必要となって処分されてしまう。俺達にも生活がかかっているんだ。処分されないようにする為には、犯罪者という更なる端末が警察にとって必要なのさ」
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