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「……オレの名前は、ケイト。髪型や顔立ちとかを見てくれたら分かると思うけど、どこにでもいる普通の奴だけど。
ただ、オレの年は十五歳だから」
「普通ね……」
アルは、じっとオレの顔を見つめた。整った顔立ちに見つめられ、少し鼓動が早くなる。
「な、なんだよ」
それがバレたくなくて、誤魔化す様に聞くと、アルは突然オレの顎を掴み持ち上げた。
「なっ……」
「可愛いね」
一瞬、思考が停止しかけた。
こいつは何て言った?
ニコニコと笑うアルを見ていたら、なんだか怒る気も失せ、ただその手を振り払った。
「そういうのは女の子に言う言葉だろ?」
「そうかな?」
「そうだ」
ダメだ。これじゃ、話が進まない。オレは、アルに聞いた。
「で、アンタの目的は?」
すると、アルはその顔から表情をなくした。強い意志を宿した瞳と目が合う。
「みんなをガラクタの夢から覚まさせる事だ」
その言葉に、疑問を感じた。
「覚まさせるなら、あの薬を飲ませれば……」
「もうないんだ。あれが最初で最後の薬だったんだ」
「はっ……」
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