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……その言葉に、固まった。アルの真剣な表情から、それが嘘でない事が分かる。
「あっ、大丈夫! 他に方法はある。というか、それが最も効率的で手っ取り早い方法なんだ。
君には、それを少し手伝ってもらうだけでいい」
そうして、アルはオレに向かって男らしい大きな手を差し出した。
大きく息を吐き出すと聞いた。
「一つだけ聞いていい?」
アルは、無言で頷いた。
「そんな大事な役に、なんで初対面の、しかもこんなガキを選んだの?」
「……そうだね。こんな大事な役だからこそ、君を選んだ」
「答えになってない」
そう言い返すと、アルは誤魔化す様に視線を、オレから逸らした。
「アル!」
名前を呼べば、アルはオレを見た。しかし、口は閉ざされたままだ。
「……じゃあ、もう一つ聞いていい?」
「……ああ」
「この手を取れば、オレを選んだ理由も、アルが隠している事も分かる?」
「!」
アルは、目を見開いた。
肩をすくめると、オレは言った。
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