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聞き覚えのある声が聞こえた。でも、その人がトーキなのか確信はできない。思わず私は駆け出していた。
「ユーリ!!」
背後から、私の名前を呼ばれても振り返らないで立ち止まったりしないで走りつづけた。立ち止まったり振り返れば泣いてしまいそうだったから、バレた。トーキに嘘をついていたことがバレたんだ。きっと、トーキは怒るだろう。私のことを怪物と呼ぶようになる。そうなる前に逃げ出すしかないんだ。
小屋に入り込んで扉を勢いよく締めて、鍵を閉めて扉に背中をあずけた。息が荒い。
「ウゥゥゥ……………ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
蛇口を捻ったように、ごめんなさいという言葉が溢れた。
ずっと、ずっと、騙していてごめんなさい。トーキ。
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