第二章 新しい生活

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蓮「そうだ、神崎君」 狼「はい」 蓮「風紀委員長さんって長いだろ。だから、名前で呼べよ。俺も狼君って呼ぶから」 狼「えっ、あの、木枯先輩?ですか」 蓮「まぁ、今はそれでいいや。”今は”な」 木枯先輩は真面目な方だと思っていた時代はどこに行ったのだろうか。 木枯先輩の話に相槌をしながら歩いているとホテルのような建物が見えてきた。 なんで学園内にホテルが? 俺はスル―して行くと思って足を進めるが、隣にいた木枯先輩はホテルの前で足を止めた。 狼「木枯先輩どうかしたんですか?」 蓮「そのセリフをそっくりそのまま返すよ。ここが寮だぞ」 狼「…………はぁ!?」 ここが寮!金の無駄遣いだろ! 蓮「何してるんだ。早く行くぞ」 狼「あっ、すいません」 木枯先輩がほt、じゃない!寮に入って行ってしまって、そのあとを小走りで追いかけた。 中は………うん。なんで寮のロビーの真ん中に噴水があるの?普通ないよね。それとも俺がおかしいのかな。あはははは。 俺が現実逃避をしているとカウンターの方にいた木枯先輩が戻ってきた。 蓮「手続してきたぞ。狼君は3階の309号室だ。あそこにエレベーターがあるからな。ここからはわかるだろ」 狼「はい。ありがとうございました」 蓮「別に気にするな。これも仕事の一環みたいなものだから。それに……面白いおもちゃを見つけたからな」 狼「何か言いましたか?」 蓮「いいや。気にしないでくれ」 最後のあたりが聞こえなかったけど、なんて言ったんだろう。でも、知りたくない気もする……。 俺は木枯先輩にもう一度頭を下げてエレベーターに乗った。3階のボタンを押すとスゥーッとした感じがして、ガタンッとなってエレベータのドアが開いた。 もう着いたのか。 俺はエレベーターを降りて部屋の番号を探した。 狼「309、309。あっ、ここですね」 だいたい廊下の端っこのあたりに”309”と書かれた札が貼ってある部屋を見つけた。 たしか生徒会と風紀以外の生徒は二人部屋だったよな。 でも、今は本当は授業をやってるからいないはずだ。 俺はドアの横の機会にカードキーをスキャンするとガチャッと鍵の開く音がした。 そしてドアを開けるとソファーで寝っ転がっている少し?目つきの悪い人と目が合った。
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