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狼「あっ」
?「…誰だ」
目つきの少し悪いその人は上半身を軽く起こして俺を見てきた。軽く警戒をしているように見える。
こんな平凡に警戒しないでくださいよ。
狼「転校してきた神崎狼です。今日から同居人になります」
?「あぁ、だから荷物があったのか」
彼の目の先には姉貴が送った俺の荷物が詰まってると思われるダンボールの山があった。
狼「すいません。すぐに片付けます。俺の部屋何処ですか」
?「そっちの左側の部屋。俺は右側の部屋だから」
狼「ありがとうございます」
俺はダンボールの山の前に行った。
かなり多いな。めんどくさいけどちゃっちゃっとやってしまおう。
手前にあるダンボールを二個ほど持って左の部屋のドアの前に来た。しかし……
バカだった。両手が埋まってんのにどうやって開けんだよ。
左足をあげて左足の膝と左手でダンボールを支えて、右手でドアを開けようと伸ばした……しかし俺には喧嘩でスイッチが入ったとき以外のバランス感覚がないようで、そのまま体が左に傾いて倒れる。
狼「うわっ!……あれ?」
倒れると思い目をギュッと瞑った。しかし来た衝撃は後ろから支えられているもしくは包まれている?ような感覚だった。
?「危なっかしいな」
支えてくれたのはさっきまでソファーの上にいた彼だった。
狼「すみませんでした。えっと…」
鈴「息吹 鈴(いぶき れい)だ」
狼「息吹君、ありがとうございました」
鈴「別に。見ててひやひやしたから」
息吹君はさり気なく俺の持ってるダンボールを持って俺の部屋に入る。
鈴「手伝うから。早く終わらそうぜ」
狼「えっ、ですが」
鈴「いいから」
息吹君は見た目はちょっと怖い感じだけど、中身はとても親切な方だった。
狼「よいしょっと」
鈴「よし。それで最後だな」
狼「はい。ありがとうございました」
鈴「これくらい大した事ない」
クゥ~~
話が途切れた瞬間俺のお腹から情けない音が鳴った。
昼は食べないで食堂を飛び出したからな。でもさ、このタイミングはないんじゃないかね腹の虫君よ。
俺は恥ずかしくなって顔を両手で覆った。息吹君は片手で口を隠しながら肩を小刻みに震わせて小さく笑っている。
穴があったら入りたい///
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