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鈴「ククッ昼飯食ってないのか」
狼「///いろいろ事情があって食べ損ねてしまいました」
鈴「そうだったのか。クククッ」
狼「笑わないでください!///」
鈴「わりぃわりぃ。朝飯の残りでいいならあるけど、食うか?」
狼「………………はい」
息吹君はクスッと笑うとキッチンの方に行った。少しするとおいしそうな匂いとともに息吹君がキッチンから出てきた。
鈴「はいよ」
狼「……おいしそうですね」
料理は朝の残りとは思えないほど豪華なものだった。
狼「いただきます」
鈴「召し上がれ」
俺は一番手前にあった料理に手を出した。一口ぱくっと食べると口の中で味が広がった。
これは!
狼「お店の料理みたいです!」
鈴「サンキュー」
俺は黙々と目の前の料理に手を出していった。料理はあっという間になくなった。
こんなに美味しいものいつ振りだろうか。
狼「ご馳走様でした。とてもおいしかったです」
鈴「お粗末様」
食器を洗い場に置いてリビングに戻った。リビングに戻ると息吹君は手に洋服などを持っていた。
鈴「俺今から風呂に入ってくるから」
狼「分かりました」
鈴「なぁ、神崎」
狼「はい?」
鈴「敬語はずしたらどうだ。同い年なんだからさ」
狼「…………すいません。癖なもので」
鈴「……そうか。癖ってなかなか取れないもんな。ははは」
息吹君は軽く笑いながらお風呂場に行った。
今完全に気を遣わせてしまった。いきなり言われてうまく反応できなかった。
でも、敬語は俺の唯一の固い壁だから。この壁だけは誰にも越えられない。越えさせない。
俺は服を着替えてベットにダイブしてすぐに眠りについた。
明日こそはゆっくり過ごしたいな。
次の日、そんな俺の思いはあっけなく散る事となった。
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