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息吹君に正体がばれてしまった。
でも誰にも言わないと言ってくれて俺はその言葉を信じた。
まだ会って半日も経ってない関係の人なんて普通信じないだろうけど、息吹君の事はすぐ信じれた。
まぁ、信じれたと言ってもあおいと俺の関係にまでは誰もたどり着けない。あれは長い長い時間があってこそなんだ。
それに息吹君も自分の事を教えてくれた。
息吹君は裏で豹(ひょう)と言う通り名で活動しているらしい。俺も名前だけなら聞いたことはある。
鈴「神崎、飯で来たぞ」
狼「あっ、すみません。昨日ならず今日までも」
鈴「気にすんな」
今俺達は朝ごはんの準備をしている。
俺達っても息吹君がほとんどやっちゃったけどね。
狼「料理上手ですよね。息吹君って」
鈴「今まで一人だったから炊事は慣れてる」
狼「そうなんですか」
鈴「話変わんだけど、神崎って何組?」
狼「えっと、S組です」
鈴「えっ!俺もなんだよ」
狼「あっ、じゃぁ、窓側の一番後ろ席は」
鈴「俺の席」
なるほど。あの席だけ空いてて誰かなと思ったら息吹君だったのか。
鈴「でもなんでわかったんだ。俺の席」
狼「俺がその前の席で、後ろだけ空いたから」
鈴「へぇ。じゃぁ、神崎は俺の前なんだ」
狼「はい」
鈴「そうか。なら学校今度から行こうかな」
狼「えっ、今まで行ってなかったんですか?!」
息吹君はまさかの不登校生!もしかしていじめを受けているの!
鈴「言っとくけどいじめじゃないぞ」
狼「へっ!」
鈴「顔に書いてある。俺って目つき悪いだろ。それでよく睨んでるのと勘違いされて誰も俺に近づいてこないんだよ。それに俺がクラスにいるとクラスの連中静かになるし、居づれぇんだよ」
確かに息吹君の目は少し怖く感じる。けど……
狼「俺はその目好きです」
鈴「!…なんでだ」
狼「何と言うか、力強くて芯のあるとてもカッコいい目です。………それに比べて俺の目は……」
鈴「ん?最後の方なんて言った?」
狼「いえ!とにかくカッコいいです」
鈴「そうか///(やばいマジ可愛すぎっだろ!)」
俺がほめると息吹君の顔が赤くなった。
もしかして照れ屋さん?
鈴「ま、まぁ、ありがとう。……なぁ神崎」
狼「なんですか?」
鈴「こんどから狼って呼んでいいか?」
狼「えっ。…別にいいですよ」
紅の事まで知られてるし、それぐらいいいだろう。
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