- 終焉と再起 -

2/30
前へ
/93ページ
次へ
『タジェスがお前達に言っていたな?前の創世主は殺した、と。もういないと…。それは少し言葉の意味は違うが言わんとしていることは事実だ。』 「な…ッ!どういうことだよ!?」 『そのままの意味だ。お前たちの言う創世神というのは… この世界を作りし初代の神。 この世界を作ったのは… ユーリなんだ』 「はっ!?」 『俺がユグドラシルに破れ取り込まれた後、あの子は内なる力を解き放ち全てを終わらせた。ユグドラシルを封印し、兄のレイドの前から姿を消したあの子は新たな世界を作り上げた。 それがお前たちのいた世界だ。神は存在しなかった。けれど、あの子が神というのを作り上げた。 天界、地獄界、魔界、冥界、下界と作り、同じ過ちを繰り返さないよう一つの信仰に囚われないようにと、一つだった世界を複数に分けた。そして新たに神、天使、悪魔、といったものをあの子は作り出し、あの子は創造主としてこの世界を治めた。――‥ すぐに降りてしまったようだがな。 だから、 タジェスが言った創造主を殺し追放したと言うのは、言葉のアヤだ。本当の意味は恐らくあの日のことを後悔しているタジェスの思いがそうさせたのだろう。 ……で、さっきも言ったが、全員が全員みな、あの日の関係者だ。 ヒューマン牧師は… 神子を言いよう利用していた大神官。神子は、藤野 周。そして、レイドは…』 そこで、ハッとした後に納得した。 「……なるほどな。 マコーネル・レイド。今のマコーネルの姓はそこから来たのか」 『ああ。 そして、昴は… 闇の精霊王のタジェスのユーリに対する慈愛の心から生まれた分身の一部と言っていいかもしれない。 だから、世界観があの子中心で出来ているから害するものは容赦しない。そして、マコーネルに対する殺意に似た敵意も、かつて、レイドが故意とまでは言い難いがユーリを苦しめてしまったことの事実は変わらない。そのことを踏まえて昴はもちろん、元々の本体であるタジェス自身、マコーネル・レイドのことは殺したいと思っているのだろう』 あー… なるほどな、と幾分思い当たる節があったキサラは明らかになったマコーネルとタジェスと昴の関係に思わず遠目になった。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2088人が本棚に入れています
本棚に追加