- 終焉と再起 -

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『森の神の血を引きエルフの血を引く君がなぜミスカトニック図書館の館長なのか…。』 「?最初から館長じゃなかった…?」 『そうだね、ミスカトニック図書館は長いこと館長不在のまま閉鎖されていたんだ。ミスカトニック図書館は特殊でね、自ら備わる魔力を巡回することで保ってきた…。でもそれは、館長が居てこそ発揮されるもので館長がいないならばそれは意味を為さない』 ティーカップを持ち、口に含んだ後で目を窄めると笑みを深めた。 『永らくの間、館長に相応しい適性者がおらず閉鎖していたミスカトニック図書館。でもそのまま閉館しているわけにもいかなかった故に神の元締め… ゼウスは同じ父の血を引く義理の弟の身柄を引き取り、見事、適性だった君をミスカトニック図書館の館長にした。…ゼウスは君の記憶にある世界だとアゼルだったかな?そっちでは君の父親になっていたみたいだけど… 実際は君と彼は義理の兄弟だよ』 ・・・・あの、アゼルが? 『ぶふっ!』 どうやら表情に出ていたらしく、ツボにハマったのか、ひとしきりくすくすと笑うユージーンに… 何故なんだろう、複雑な気持ちになるのは。…あまり、いい気がしなかった。 『あはははっ! くすくす…っ ごめんごめん!そういえば君たちはいつも反りが合わなかったね』 そこは、今でも変わらないんだ…とユージーンは濡れた目尻を拭った。
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