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『愛しい私のユリウス‥』
スッ…と、僕の頬に指先を滑らすタジェスにただただ困惑げに見つめる。
「タジェス…」
『もうすぐ貴方は私のモノになる――。あともう少しで・・・。そう、邪魔物さえ消してしまえば(ヒソッ)』
――… ニコッ
『私はまだ仕事がありますから戻りますが‥ わかっていますね?此処から出てはいけませんよ。外は貴方にとって危険な場所でしかないんですから』
……そう念を押してくるタジェスに何とも言えない気持ちになる。
タジェスが此処を出ていくのを見届け、小さく吐息をついた
「此処は… 凄く窮屈なところだな…」
何もない見渡す限り、広々とした黄金の草原。
だけど、
自分以外誰もいない此処が‥ 自由が赦されないタジェスの言葉が… ひどく窮屈に感じていた。
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