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- 終焉と再起 -
――――――‥
――‥
ポチャン!
『これが… 世界を狂わせた始まりの記憶』
ユリウスは記憶の泉の水面を覗き込んでいたキサラに、ポツリと口にした。
『ユーリはユグドラシルの人格を封印した。だが、そのときにユグドラシルはある呪いを… 万物の全てに掛けた。』
淡々と告げるユリウスにキサラは首を傾げる
「――‥ 呪いだと?」
『あぁ、ユグドラシルの意思が封じられようと、世界が一度滅び新たに再起しようと… 決して逃れぬ呪いを掛けた。
それは、
たとえ、世界が変わろうと時代が変わり、あらゆる時が過ぎても、あの日いた全てのモノが同じくして生まれ変わる呪いを…。同じ悲劇を繰り返す為に。
そして、その呪いはお前たちも含め、あらゆる万物の魂に… 記憶に刻まれた。お前たちが出逢ったのも、出逢うべくして出逢った必然であり、この忌まわしき呪いを打ち破り終焉させなければならない。永遠に繰り返される負のループを…
姿形が変わっても、ずっと繰り返されてきたこの悲劇を…
あの子は終わらせるつもりでいる。悲劇の始まりはあの子が精霊たちに好かれ過ぎたことが要因。始まりはタジェスとは言え、それはあの子自身よく理解している。だから恐らくあの子は… 今度こそ終わらせるつもりで今、向かっているのだろう』
「今、向かってるって何処に…」
『全ての始まりの地【ラクラシア】に』
「?なぁ、ちょっと待って。じゃあ、イヴやアダムっていうのは…」
髪を掻き上げ、疑問に思ったことを口にしたキサラにユリウスはあれは特に気にしなくてもいいと言う。
「は?なんでだ?」
『イヴやアダムは… ユグドラシルが掛けた呪いの産物に過ぎない。そしてそれを上手く利用し望む方向へと誘導しているのが、お前達が最初に黒幕と信じ込んでいたタジェスだ』
次々とユリウスの口から告げられる事実にキサラはごくりと唾を呑み込んだ。
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