- 終焉と再起 -

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「………」 ・・・やっぱり、複雑。 『ゼウスも悪いひとではないんだけどね、君という義理の… 弟という未知の存在が突然現れて、どう接していいか分からなかったっていうのが心境なんじゃないかな? フフッ』 プフッ!とまた吹き出すユージーンは何かを思い出したのか、また肩を揺らし始めた。 『君たちが… いや、私たちがいる本来の世界は… そっちでいう西洋と中華が混ざり合った世界に近いと思うよ?マコーネルと… 君は特に因縁が深い。それ故に、今も互いに近い存在なんだろうね』 マコーネルと僕が…? 「それは、どういう意味で??マコーネルのことをそういう目で見たことはないんだけど…」 今さら、過去に恋人だったとか言われても困る!!と安易にそう告げるとユージーンはくすっと微笑んだ。 『ああ、心配しないで。因縁が深いと言ってもそういう意味ではないから…。んー…そうだね、簡略するけど。ある昔話を言うのなら───… 今からずっと昔、とあるまだ若い女神の身勝手な理由により一人の天使の青年か酷な目に合うのだけど、それを君が救った… 二人の関係はそこから始まったんだ』 そ…れが、僕とマコーネル…? 『でもね、それは… まだ、始まりに過ぎなかったんだ』 そう告げるユージーンからは何を思っているのか読み取れない。不意に顔を上げると、僕に当たり障りのない笑みを見せる。 『それから、シフォンは… 君の母君、エルフの青年だった。今はもうかつての体。器、と言ったほうが正しいかな? そしてその魂の一部が小林 葵の中に入っている…』 「それって…!?」 嫌な予感が背中を駆けた───。
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