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「話変わるけどさ、たっくんは死後の世界がどうなってるか知ってる?」
「いきなりだな。死後の世界?」
死後の世界。
それは天国やら地獄やらを指しているのだろうか。拓也は幼馴染からの質問に深く考える。美奈の性格上冗談で物事は言わない。そのことは小さい頃から一緒にいる拓也は勿論知っている。
「昨日ね、テレビでやってたの」
「死後の世界特集か?」
「ちょっと違うけどそんな感じだよ」
「んーそれって天国とか地獄なんじゃないのか?」
一般的に知られている死後の世界には天国と地獄がある。悪いことをした人は地獄に行く、逆の人は天国だ。だが実際死んで体験したことがない拓也ははっきりとそうなっていると言えない。
「私もその二つだと思っていたんだあ。でも昨日テレビで、一度死んだ人のインタビューで・・・「ちょっと待て」
美奈の言葉を遮る拓也。
「一度死んだ人?何でその人が生きてんだよ。矛盾してんじゃねーか」
「生き返ったらしいよ?」
さもありえないことを当然のように口にする美奈。呆れ顔になりながらも拓也は美奈の話を聞いている。
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