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「なんかね、死後の世界にもう一回生き返ることが出来るチャンスがあるらしいよ」
「なんだそれ。よくそんなデマでテレビ関係者が喰いついたな」
「妙に信憑性があったんじゃない?」
「んで、どんな世界なんだ?」
「ん~と、ゲームのRPG?みたいな感じでゲームクリアすれば生き返れるらしいよ」
らしいというのは美奈が実際に体験したわけじゃない。テレビからのありえない情報だ。そもそもまた生き返ったなら死んだとき近くにいた人とかはどうなるんだ。と拓也は考える。
「何歳くらいの人なんだ?」
「えっと十代だったよ」
十代にもなってよくそんな話をテレビで話したなと拓也は思う。もう少しマシな話を期待していた拓也にとって美奈の話はおもしろくない。
「まあなんだ、もう一回生きれたんなら良かったじゃねえか」
「そうだね・・・」
拓也のてきとうな反応で如何に自分がふざけた話をしていたんだなと美奈は思った。美奈自身も勿論体験したわけじゃない。テレビを鵜呑みにした結果、幼馴染を退屈させてしまった。
「でももしだよ、もしそんな世界があってたっくんがそんな状況になったらどうする?」
「そうだな、死んだ年齢にもよるけど多分今死んだなら全力で生き返ろうとするかもな」
まあ死因にもよるけどな・・・と拓也は付け足す。そうこう話している内に昼休み終了のチャイムが鳴り、二人はお弁当を片付け次の時間の用意に取り掛かった。
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