0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
あれはぼくが友達と砂場で遊んでいたときのことだ。
その時ぼくらは山をつくっていた。
「よ~し!このまま世界一でかい山をつくろうぜ!!」
そんな野望を抱いてぼくらは必死に砂を集め続けた。
が、同じ砂場にいた少女にどなられた。
「あんたたち邪魔よ!あっちへいって!!」
「なにいってんだ!砂場はみんなの…」
少女に言い返そうとした友人をぼくは止めた。
「こういう子は何をいっても聞かないよ、あっちへいこう」
ぼくたちはブランコで遊んだ。
「このまま漕いで空までいくぞ!!」
と友達ははしゃいでいたが、ぼくはさっきの少女が気になってしょうがなかった。
目を向けると、少女が穴を掘っているのが見えた。
しばらく見ていたが、少女は黙々と掘るばかりだった。
「そんなに穴掘ってどうするんだ?」
あっ…
ぼくはいつの間にか少女に話しかけていた。続けるわ」
「私ね、できないことなんてないって証明したいの」
「だから私は掘り続ける」
無理だとわかっていることをあきらめずにやろうとしている姿は、面白いどころか物凄く輝いていて見えた…。
「ぼくはひまわり組のまこと、よろしく」
「私はゆり組のみかんよ、どうぞよろしく」
みかんはニパッと微笑んでぼくと握手をした。
その時のみかんの笑顔をぼくは一生忘れないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!