もののけと桜

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 僕の言い方がそんなに恐ろしかったのだろうか、龍也の顔はみるみる青ざめた。  あぁそうかそうかと、申しわけなさそうにして龍也は、頷いて逃げ去るように教室を離れた。  誰も居ないその空間に、一人佇む僕は深いため息を吐いた。  静かに吐き出されて、消えていく憂いた吐息が教室に寂しく木霊する。 「…よし、学校の中を探索しようかな」  その場所に教科書等の荷物を置いて、僕はまだ人気のある廊下を歩いた。  中学に入学した時も、同じ様にしていたので冷たい視線や、奇異な眼差しには慣れている。  しかし、誰も僕自身を見ていない。在って無いような存在に、僕は変わりないのだろう。
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