5人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の言い方がそんなに恐ろしかったのだろうか、龍也の顔はみるみる青ざめた。
あぁそうかそうかと、申しわけなさそうにして龍也は、頷いて逃げ去るように教室を離れた。
誰も居ないその空間に、一人佇む僕は深いため息を吐いた。
静かに吐き出されて、消えていく憂いた吐息が教室に寂しく木霊する。
「…よし、学校の中を探索しようかな」
その場所に教科書等の荷物を置いて、僕はまだ人気のある廊下を歩いた。
中学に入学した時も、同じ様にしていたので冷たい視線や、奇異な眼差しには慣れている。
しかし、誰も僕自身を見ていない。在って無いような存在に、僕は変わりないのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!