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「お前、強くなったんだな」
そんな事ない。。。
だけどこの5年
流されない女になろうって努力は、してきたつもり。
「・・・分かった。
じゃ、とりあえず友達でって事だよな?」
「うん」
大きく頷いた私の手が・・・
再び”ギュッ”と掴まれた。
そして・・・
思いっきり唐突なスタートダッシュ!!
「ちょっと、仁っ!!」
「まだ式、間に合うかも」
グイグイ風を切る仁に引っ張られながら、私も必死でチャペルまでの道を駆け抜ける。
「ユリナ怒ってるかな?」
息を切らしながら
怯えている仁が、
なんか可愛く見える。
──仁といると、
こんなんばっかだ(笑)
不器用な仁の、不器用な生き方。
もしかして、
その横に私が寄り添う日が
また訪れるかもしれない。
未来への期待で弾む私の中に
もう昔のような
不安な思いは、少しも無かった。
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