5人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ、あの先輩、何だったんだ……?」
「知らないよ、そんなの」
気がつけば委員会は既にお開きになっており、辺りはバラバラと部活なり帰宅なりで視聴覚室を出ていっている。
先程まで前に座っていた、あの先輩もいつの間にやら姿を消していた。
私とカオルは、ゆっくりと目を合わせて、2人して安堵の息を机に落とす。
「ふぅ~!さすがのオレもちょいビビった」
「あれだね、笑顔で今から人殺しますみたいな感じだったね」
爽やかな笑顔にどす黒いオーラって、一番恐い組み合わせだね。
私の中で、"伊ヶ谷先輩"という人間の第一印象は、サイアクだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!