とりあえず、悪い男には要注意

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「どういう……意味ですか」 「言わなきゃ分かんないの?一緒に来てたのに勝手に抜け出して、勝手に帰って。挙げ句に、道に迷ったら即友達頼み? お前みたいなヤツ、俺一番キライ」 「なっ…………!」 何で、よく知りもしない赤の他人にそんな事言われなくちゃいけないの!? ――そう思ったけど、声が出なかった。 悔しいけど、……先輩が言ったことは間違いではなかった。 私は自分勝手に行動して、勝手に迷子になった。 それを、ウダウダ言う資格など、私にはないのだ。 何ひとつ、言い返す事ができずに、私は黙り込んで俯く。 地面を見ながら、また涙が込み上げてくるのを感じて、鼻をスンと啜る。 「……ま、俺には関係ないけど。 じゃ、まぁせいぜい頑張って帰って」 と、呑気な声で言うと、軽く手を振りながら私の横を通り過ぎる。 …………え、ちょっと待ってよ!このまま置いてく気!? 「――……なに?」 「あ…………」 気がつけば、通り過ぎようとする先輩の裾を掴んでいた。 .
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