5人が本棚に入れています
本棚に追加
射るような夏の陽射しから逃れるように校舎裏の陰で、私、秋吉ナナは金髪の彼氏と向かい合っていた。
「俺が学校退学になったんだから、お前も学校辞めるのがスジってもんだろぉが」
そんなスジは、生まれてこの方、聞いた事ない。
私は、彼氏の口から放たれたあまりの衝撃に、呆然としながら固まる。
決して頭のいい方ではないながらも、必死で勉強して何とか入れた進学校。
それを、半年も経たない内に"退学する彼氏のお供に"なんてありえない理由で去るなんて、
…………私にはできない。
***********************
「んで?断ったら、その場でフラれた?」
小学校の頃から腐れ縁の村雨カオルが、いちごミルクの紙パックにストローを差し込みながら、まるで「今日の宿題忘れたの?」的な軽いノリで、確信をついてきた。
.
最初のコメントを投稿しよう!