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――放課後。
「あーあー、彼氏と別れた日くらい、じっくり感傷にひたる位させて欲しいなぁ」
HRも終わり、クラスのみんなが鞄を手にワイワイと教室を出ていくのを見送りながら、私は机にへばりついたままため息をつく。
「頑張ってね、体育委員サン。お先~」
「リサ冷たーい!たまには『待っててあげよっか……?』とか、ないのっ!?」
「ない」
……即答ですか、さすが女王様。
いいもん、クラス代表リレーのメンバーのところに、リサの名前書いてやる。
体育委員なんて、年に1、2回しか仕事する事ないから、なんていう理由で選んじゃったけど、よくよく考えたら"準備期間"という、めちゃくちゃ面倒くさいものがあるじゃないか。
選択を間違えた事に今更になって気づき、私は頭を垂れる。
「カオルも一緒なんでしょ?面倒な事はアイツに任せときゃいいでしょ。お祭り男だから喜んでやるわよ、きっと」
「うん、そうだね~。そうする」
「おい、ナナ~。そろそろ行こうぜ、場所3年の教室だろ?」
女子2人に良いように言われている事に、気づく事なくのほほんとこちらに歩いてきたカオルを見て、私はリサと目配せをして、クスリと笑った。
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