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「……アレ、もう始まってんの」
「遅いぞ、伊ヶ谷」
飄々と入ってきた、伊ヶ谷と呼ばれた人。
さっき言ってた、3Aの先輩だ。
おぉ、結構カッコいい……けど、薄茶の髪は四方八方に跳ね、目はやる気なくトロンとしている。
まちがいない、この人寝てたな。
若干イライラしている委員長の言葉を特に気にする風もなく、伊ヶ谷と呼ばれた先輩はたまたま空いていた私の前の席にどっかりと腰を下ろした。
委員長は怪訝な目を伊ヶ谷先輩に向けながらも、ひとつ咳払いをすると早速本題に入る。
「さて、まずは体育祭の意義についてだが……」
延々、延々と委員長が体育祭の素晴らしさを語る。
ヤバイ、呪文に聞こえてきた……。
眠い、とてつもなく。
眠気覚ましにと思って、隣に座るカオルにちょっかいをかけてみる事にした。
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