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少女はその小さな世界で食べ、飲み、育った。
小さな世界のほとんどを占める湖のみずをのみ
お腹がすけば湖のほとりに茂る木の実を食べた。
湖はいつも綺麗に澄んでおり、
湖に潜って目を開けると湖の向こう側まで見えるようだった。
深さは場所によって様々で
場所によっては少女の足のつかないところもあったが
少女は水の中でも息をする事が出来たので
溺れることはなかった。
厳密な意味で水ではなかったのかもしれない。
少女は眠くなればその場に横になって眠った。小さな世界にあるもの全てが柔らかかったので
体を痛めることがなかったのだ。
小さな世界は彼女の為にあり、彼女はたった一人の住人だった。
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