田中雅人

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一瞬教室のざわざわ感が、まったく耳に入ってこなかった。 もしかしたら俺、息もしてなかったんじゃないかな。 「ーっ!ほんとうか?!それ!」 「お、おぉ」 俺に両肩を掴まれた崎川は、コクコクと何回も頷く。 「…まじかぁー…」 俺はゆっくりと、もう一度机に突っ伏す。 「あれ?雅人ー。また寝るの?おーい」 うん。 そんで次に起きた時に、今のニュースがなかったことになってほしい。 …その日。 俺は授業がまったく頭に入ってこなかった。
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