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ハデス「俺たちは考えた。
どうすれば寂しくなくなるか
自分たちに近い者を創ってもダメだった。なら、どうすればいい?
そんなとき、ふと目に付いたのが”家族“というもの。
世界神や上級神たちはあくまで自分たちの部下に部類される。
家族ならば対等で居てくれるんじゃねえか?
そう思った俺たちは子供をつくることにした。
だが性別のない俺たちは普通のつくり方はできない。
うまくいくかはわからないが
自分たちの魂を少しずつ取り出して混ぜてみた。
結果は成功。
不安定だったがひとつの命ができた。
俺の赤みがかった髪の色とゼウスの青い目を受け継いだ子供だった。
そしてある程度魂が安定してきた頃に、魂に経験を積ませるために地球の神に、その魂が俺たちの子供だと伝えずに預けた。
そしたらなァ不思議なことが起こったんだよな」
途中まで淡々と話していたハデスは、最後に最初会ったときと同じ狂ったような喋り方をした。
俺たちは顔を見合わせる。
ハデスは自分たちの子供をつくったと言った。
まさか、と思う。
続きを聞きたいような聞きたくないような。
基本シリアスは嫌いだ。
早く話が終わればいいと思う。
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