いざッ!

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別にこのブレスレットがなくても幻属性で幻覚を見せればいいんだが、きかない奴も居るだろうし見破られても厄介だと思ってたから……まあ、ありがたいか。 24時間つけてる限り効果は続くらしいしな。 リヒト「長い説明ありがとう」 メイト「ゆっくり休んでくれ」 微笑みながら言うと一瞬世界樹が嬉しそうに光った。 樹『儂は寝ることにするわい。フェンリルの小僧によろしくの』 世界樹の魔力が穏やかに流れ出した。 休んだか……。 てか、小僧って……世界樹に比べたら俺たちなんて小僧か。 メイト「これからどうする?」 パァ リヒト「とりあえず今日はここで休もう。もう暗いしな」 ブレスレットを外しながら答える。明人も続いてはずしていた。 世界樹との話に夢中で気が付くともう日が落ちていた。 どういう原理かわからないが世界樹の周りは日が落ちているのに明るかった。 メイト「……今日はここで寝ようか」 リヒト「そうだな……ん?」 ふわふわと近付いてくる気配。 メイト「理人……」 リヒト「ああ」 近付いてくる気配に敵意はないし、感じるのは精霊の気配だが念のため警戒しておく。 何かを運んでいるようにゆらゆらと頼りない足取りで近付いてくる気配に少し心配になる。 大丈夫なのか? 手伝いに行ってやるべきか? いや、でももうすぐそこだし……。 どうしようか? 今俺たちが着ているのは、パパたちに貰った黒と白に、ワンポイントで青の入っているデザインのフードつきトレーナーと同じデザインの短パンだ。 そのトレーナーの裾をお互いに握る。 ああ、もう姿が縮むと不安ばかり感じる。 危険はないとわかっているのに不安が拭えない。
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