いざッ!

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ああ、もう! 不安不安不安 大丈夫。100年も修行したんだ。この世界に俺たちにかなう奴なんていない。 そうわかっていても5歳の姿、精神には初めて見ることになる精霊が怖くて仕方がない。 『んしょんしょ』 『こっちだよね?』 『そこ!サボらない!』 不安故に強まった警戒をよそに聞こえてきたのはファンシーな声。 ガサガサ 『あ!いた!』 茂みがゆらつくと共に現れたのはこれまたファンシーな精霊たち。 10㎝から15㎝くらいのサイズの様々な色の精霊たちが大勢で、不釣り合いなサイズの何かを運びながら満面の笑みで近付いてくる。 『手助けはいらない、ですよ!』 手伝おうとするといつの間にか近付いていた上級っぽい精霊に止められる。いや、気配で気づいてたんだけどな。 しばらく見守っていると、ドサリと俺たちの前に精霊たちが運んでいた何かが置かれた。 ゆっくり物音をたてずに置こうとしたのを1人?一匹?が力尽きて大げさな音がなった。 力尽きた精霊は疲れたように笑いながら周りの精霊に怒られていた。 なんか、和む……。 『みてみて!』 『運んだの!』 『お二人のベットだよ!』 口々に騒ぎ出した精霊たち。 和む……。 は!和んでる場合じゃなくて! いつの間にか不安はなくなったいた。 メイト「ベット?」 呟くような声。それを目ざとく拾う上級っぽい精霊。 『そうです!この世界は何かと物騒ですからテントのような外でも使えるベットを作りました!』 えへんと胸を張った精霊にどう反応していいのか悩みつつ無視してみた。
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