いざッ!

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『むぅ……まぁいい、です。今日はもう日が暮れましたし早速使ってクダサイ!』 たどたどしい上級っぽい精霊の敬語。 こいつ敬語使い慣れてねぇな。 上級っぽい精霊以外の皆の心が一致した瞬間だった。 気まずい雰囲気が流れる。 『……ま、まぁ見てください!』 『つ、使ってくださいなの!』 取り繕うに沢山の精霊に促され、テントのようなベット(らしいもの)に近づく。 卵のような球体をしたそれはどこから入るのかわからない。 明人と目を合わせる。 どうする? 同じ疑問をお互いに視線で投げかける。 とりあえず調べてみるか。 アイコンタクトで伝えて2人ほぼ同時に球体に触れる。 シュッ ッ!? 空間移動した感覚とふわりとした感触。 周りを見回して感嘆の声がもれる。 リヒト「すごいな」 心地の良い白に包まれた空間。 ふわりとした感触は白と黒の羽だった。 ゆっくり手ですくってみる。 メイト「……これってさぁ」 コクンと頷く さわり心地や見た目、色をよく知っている羽。 パパたちの羽だ。 どれだけ拒絶しても朝起きるとこの羽に包まれていたから間違えようがない。 周りを見渡す。 なるほど、これならあまり眠れない俺たちでもよく眠れそうだ。 精霊(と神)しか使えない固有空間魔法を使われている空間は心地のいい広さだ。 それになによりも いくら拒絶していたと言っても自分たちの父親。 その羽が沢山ある部屋で眠れないわけがない。
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