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メイト「んじゃ出るよー」
リヒト「あ、ちょっと待った」
意気揚々と出て行こうとした明人の腕を掴む。
メイト「……なに?」
不機嫌そうに振り向いた明人。頬が少し赤い。
不機嫌そうに見えて不機嫌じゃないことはわかってるが何を思ってるのかはわからない。
リヒト「とりあえず着替えよう」
そう言いながらこの世界では使える人が少ない無属性に分類される魔法、ボックスを発動させる。
この魔法は生き物以外を仕舞っておける便利な魔法だが、おそらく帝クラスか魔力コントロールが上手い人しか使えないだろう。
パパたちに渡された物で溢れかえっているボックスの中をゴソゴソとあさる。
リヒト「ん、あった」
大きい籠のような物を見つけて、その中から透き通るような青を基調とした黒と白の羽が描かれた着流しを取り出す。
パチンッ
ひとつ指をならすと同じ着流しに身を包まれた俺たち。
すっと手を上げると現れた鏡に並んで映る。
性格に違いはあるが見た目にはほとんど違いがない俺たち。それに少し安心する。
メイト「改めて、出ようか」
コクンと頷く。
シュンっと手を繋いだまま空間移動して地へ降り立つ。
目の前には世界樹がいたがまだ眠っているようだ。
隣で明人がテントに手をかざすとパァッと消えた。
メイト「よし!じゃあ情報集めしようか俺は風に聞く」
笑顔でこちらを向いた明人。
風に聞くとは、この世界は自然のもの全てに意思が宿っているから、風そのものに聞くと言うこと。
精霊はそれを守護するものだから、今回明人が聞くと言っているものとは違う。
リヒト「じゃあ俺は影に」
俺はしゃがんで影に触れる。隣で明人は手を大きく広げていた。
俺は光の当たるところ以外それこそ真空とかのなかにある影、全ての影に
明人は空気のあるところ全てに存在する風に
ゆっくりと魔力と神力を混ぜて流しながら問いかける。
リメ「「“我が名の元に命じる彼の現状と世界の現状を我がもとへ”」」
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