いざッ!

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死の足音 そう呼ばれる殺し屋がここ最近現れたそうだ。 腐った貴族たちが次々と惨殺されているらしく、貴族たちは日々怯えて過ごしているようだ。 そんな死の足音と呼ばれているのは彼だった。 彼がこの世界に来て1週間。 その短い間で平民の耳に入るほど騒がれるなんて、よっぽどたくさん殺したんだろう。 彼はこの世界に来てすぐギルドマスター(以降ギルマス)に拾われたようで、ギルマスが半ば強制で保護者になり学園にも通っているようだ。 だが生前の彼からは予想できないほど冷たい性格になり人との関わりを避けているようだ。 正直犬のように人懐っこかった彼がそうなるなんて信じられないが、風や影の言うことは絶対に事実。 優しかった彼が、人懐っこかった彼が、今では人殺し。 そうなったのはきっと リヒト「俺たちのせいだよな」 淡々とした口調で言うと頷く気配。 俺たちが死んでも、おもしろおかしく過ごすだろうと思っていたが殺し屋になるなんて、よほど俺たちの死が辛かったんだろうか? 生前お互いがお互いのストッパーのような役割だった俺たちと彼。 ストッパーが居なくなってやりすぎてしまっているだけなのか? いや、でも。 風の情報で彼が貴族を惨殺しながら呟いた言葉の中に「腐った奴らが居るからあいつ等が死んだんだ」って言葉があった。 その他にも俺たちのことを言っているような言葉がたくさん出てきたとこを見ると…… 彼が狂ったのは、俺たちのせい。 明るく優しかった彼を殺し屋にしてしまうほど、俺たちの存在は彼にとって大きかったんだろうか? 少しくらい自惚れてもいいよな? メイト「狂ったのが俺たちのせいなら」 リヒト「助けるのも俺たちの役目」 目を合わせて呟いて。 彼は王様に会ったみたいだから王様にも会いに行こう。 あと彼に会うためにはギルド登録をしよう。 リヒト「じゃあ俺は王様に会いに行く」 メイト「なら俺はギルド登録に」 動きやすいように2人で1人でいい。 王様が良い人なら双子だと言うことも言うし、ギルマスが良い人ならギルマスにも言う。 それまでは俺たちは1人の人間だと思わせておこう。 ギルドカードとかいうのも交互で使えばいいし。 王様が悪い人なら会うのも交互で済ませればいい。 どうせ区別できるのは彼やパパたちだけだろうしな。
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