彼の足跡

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神の間なら白いんじゃないか? そう思ってもそれ以上の思考を動かすのがめんどくさくて仕方がない。 ボーッと黒い空間を眺める。 目から流れる水が止まらない。 彼らは俺の心の寄りどころだった。 彼らの居ない世界なんて考えられない。 彼らと一緒に眠りたい。 そう思う俺は自分が思っていたより彼らに依存していたようだ。 ハデス「おー思ったよりダメージ受けてんなァ」 聞こえてきた声にノロノロと顔を向けると同色なのに目立つ黒と際立つ白が見えてきた。 ゼウス「はじめまして優真君。僕は創造神のゼウス」 ハデス「おれァ邪神のハデスだ」 律儀に挨拶してきた神を見つめる。 ユウマ「はじめまして、俺は人間の優真です」 ボーッとしていたら口をついて言葉が出てきた。 ハデス「ククッ人間ってッ!」 あの髪色彼らと同じ色だ……。 ゼウス「ハデスうるさいよ……。優真君ごめんね?」 この目も彼らと同じ色だな……。 ゼウス「優真君?」 顔も、どことなく彼らに似てる……。 ゼウス「仕方ないかー……とりあえず情報だけ送っとこう」 無反応、もはや廃人になっている俺に向けてゼウスが手をのばしてくる。 額に当てられた手が彼らと似ていて水があふれる。 ゼウス「よほど親友が好きだったんだね。じゃあその情報で元気がでるかな?」 一応疑問系だけど確信を持った声に疑問を持ちながら、割り込むように頭に入ってきた情報を処理する。
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