彼の足跡

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ーーーーーーーー 懐かしい夢を見た。 自分がフェンリルになった時の夢。 フェンリルの間で気が遠くなるくらい力の使い方やあらゆる知識を勉強して、忙しいはずの神が来てもう異世界にいけって言われて強制的に異世界に送られて…… ここはどこだ? 目を開けると知らない場所。 医務室のようなベットがたくさん並んだ場所で寝ていた。 髪をかきあげながら起き上がる。修行中に耳と尻尾は仕舞えるようになった。 僅かに頭痛がして顔をしかめた。 無理やり時空転移した副作用か? ハデスの野郎……! 自分を無理やり時空転移させた人物を思い、次会ったらシバくと決意する。 ガチャ 「お?目覚めたのか?」 近づく気配の方を見ていたら扉を開けて中年の男が入ってきた。 「俺はギルド陰影のギルドマスターのギル・ダークだ坊主は?」 ギルド陰影 知識の中に勇者の塔というギルドと並ぶギルドだとあるが。 建物の大きさは勇者の塔よりはたいしたことないらしい。 だが強さは陰影の方が強いらしいが、荒くれ者が多いことから陰影のほうが階級は低いらしい。 ユウマ「……優真」 ギル「そうか……優真何故あんな所、帰らぬの森に倒れていたんだ?」 ギルの言うことに首を傾げる。 帰らぬの森ってたしか……危険度Sランクの危険地帯……。 魔盲の子供がよく捨てられるところで帝ランクのやつが時々見回りしてるとかいうとこか。 今の俺の姿は全身真っ黒の服で、髪は黒にフェンリルになった影響でできた銀のメッシュ。 この世界で黒髪は忌み子とされているから俺も捨てられたと思ったのか? ギル「……親は?」 答えない俺に少しずつ聞こうと思ったのか質問を変えてきた。 親? この世界にはいないし……首を振る。 ギル「そうか……よし!優真俺の息子になれ!」 何を思ったのか突然訳の分からないことを言ってきた。 は? 息子? いやいや、俺人嫌いだし。 主のためにこの世界の腐ったやつ殺そうと思ってるし。 親とか邪魔なだけじゃね? いらないの意味を込めて顔をしかめながら首を振る。 元人間だけど、もう人間と喋るのも嫌だ。 ギル「問答無用!お前は今日から俺の息子だ!」
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