彼の足跡

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ギル「ハハッそんなもんかぁ!?」 笑って放たれた闇の剣。 嘗めやがって! 怒りで我を忘れる前に終わらせてやる! 怒りで我を忘れるとフェンリルだとバレる可能性がある。 一瞬でギルの前に移動して回し蹴りを放つ。それを右手で止められるのをギルの後ろで見ながらギルの首に手を当てる。 ギル「は?」 ユウマ「俺の勝ちだ」 俺の言葉とともに回し蹴りをしたままの俺が黒い水になって崩れ落ちる。 ギル「……なんだ、今の魔法は魔力を感じなかったぞ?」 探るような目線。 この目線は嫌いだ。 ハーレム野郎の周りにいた奴はいつもこんな目でお互いをさぐり合っていた。 ユウマ「秘密だ。ただ幻覚を使うのが得意なだけだ」 と言うことにしておく。という言葉を呑み込む。 幻覚は得意な方じゃない、得意なのは闇と氷を使った分身とか造型魔法だけ。 それに魔力を感じないのは当たり前だろうと思う。空気中に漂う魔力を少し使っただけでほとんど魔力を使ってないんだから。 造型魔法は自分の魔力を使うとリアル感が出ないのが難点だからな。 ギル「うーむ幻覚かぁ……よし!優真お前はSランクの幻帝になれ!」 魔力探知したら魔力も申し分なさそうだしな!と満足気に言うギル。 とことん俺の意見は聞いてくれないらしい。 ギル「そうと決まれば、もう今日は休め!今から家に転移するぞ」 ユウマ「は?」 ぐわし!と腕を掴まれ、浮遊感。 そういや受付嬢空気だったなと思う間に変わる景色。 ギル「着いたぞ、ここが今日からお前の家だ!」 目の前には立派な屋敷。 ギル・ダークってやっぱり7大貴族のダーク家だったか。 こいつ貴族に見えねぇなと思う。 7大貴族は王族の次に位が高い貴族なのにギルといったら ボサボサの白髪に紫の目、だらしなく着崩された素材は良さそうな服。 これが7大貴族とか……信じらんねえ。
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