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守『平和に暮らそうとは思わないのですか?』
意味のわからない問いかけ。
ジッと見つめる。
何がそんなに悲しい?
守『申し訳ございません。あのお方たちの頼みですものね』
頭を下げた守護精霊。
わけのわからないうちに守護精霊は勝手に納得したようだ。
どんな表情をしていいかわからなかったから、とりあえず苦笑いをして王を見る。
王「何故君に依頼を回さないといけない?それに死の足音との契約は依頼をするから反逆しないということなんだが」
ここ数日で彼の実力がわかったから他の国に行かれると困るってか。
他の国に行ってもし戦争されると王としては痛いだろうな。
順を追って質問していって最終的に断るつもりだな。
だけど断られると困るんだよ。
リヒト「そうだな……メイト『あー理人』『……なんだ?』」
突然の明人からの念話。
王が話の途中で黙った俺を不思議そうに見てきたから、魔力を漏らして念話していることを気づかせる。
メイト『なんかギルマスと喋ってたらゆうが来て……バレた』
ゆうは俺らの親友の彼のこと、優真だからゆう。
顔を覆ってため息をつく。
王「……なにかあったのか?」
リヒト「……俺らがこの国に居る限り死の足音は反逆しない。……証拠を見せてやる」
問いかけを無視して話し出した俺に王はますますわからないという顔をする。
リヒト『明人2人を連れて転移してこい』
言ったと同時に転移してくる気配。
ギル「うわっ!」
ドサリと転ける音。
ユウマ「りぃ!」
ガバッと抱きつかれる。明人も小脇に抱えられていた。
すごいスピードだった。
リメ「「ゆう落ち着け」」
ユウマ「無理だぁ~うぅ……」
ため息をついて自分たちより10センチ……15、20センチくらい高い位置にある頭を撫でる。
王「……ギルこれはどういう状況だ?」
ギル「わかんねえ……でもあんな優真見たの初めてだ」
呆然とした王とギルマスの方に顔を向ける。
ゆうが離してくれないからこのまま喋ろう。
リヒト「2人は優真が死の足音って知ってるんだろ?」
王は万が一の時のために。
ギルマスはゆうの部屋で死の足音のコートを見つけて問いつめたから。
死の足音だってわかったから、幻帝にするのを取り消して総帝の補佐として帝の位を与えずにSクラスにしたらしい。
その方が万が一のときに安全だからだろう。
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