狂った彼の……

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いつの間にか明人と2人で抱きしめられていた。 ギュッと存在を確認するように力が強くなって、彼が震えていることに気づく。 メイト「ゆう……優真が何者かは知らないと思うが、一応味方だから安心しろ」 死の足音とは知ってるだろうがフェンリルとは知らないだろう? 震えているのをそっとしておくため気づいてない風を装って喋る。 喋り方が威圧的になってしまうのは仕方ないと思って欲しい。 俺たちは人見知りなんだ。 グズグズとすすり泣く声。 コートを脱ぎたいんだが……。 ゆうはたしかふ、ふだんし?とかいうやつらしく俺たちがくっついていたりしたら喜んでいた。 元気のないゆうの為にコートの脱ぎ方で一芝居するか? 明人と目を合わせて頷く。 リヒト「明人、コート、脱ぎたい」 なるべく区切って勿体付けるように。 メイト「理人、俺も、脱ぎたい」 ユウマ「ぐはっ!」 鼻から赤い液体……忠誠心だったか?を噴き出しながら倒れたゆう。 今のでこうなる理由がわからない。 ここからどうするべきか……チラリとゆうを見ると鼻息荒くこちらをみている。 とりあえず抱きつくか。 すっと近づき過ぎなくらい近づいてお互い向かい合う。 明人のフードに手をかけて俺に同じようにしている明人と同時にフードをとる。 そのまま明人を引き寄せ肩口に顔を埋めてそっとコートを脱がしていく。 明人も同じように俺のコートを脱がす。 リメ「「……ふぅ」」 無駄にゆっくりだったから疲れた。 ユウマ「ぐふ腐……りぃとめぃの絡み最高!しかも和服……だと!?たぎる!」 ……元気になったみたいで良かった。 ギル「優真が壊れた」 ポツリと聞こえた声は無視した。
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