狂った彼の……

6/15

1831人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
メイト「……一応名乗るがどっちがどっちかは覚えなくていい」 目に戸惑いの色が浮かんだ王を無視して名乗る。 リヒト「俺は理人、兄だ最初お前と喋っていたのは俺だ」 メイト「俺は明人、弟」 王「……私は現国王のルーラという」 全員が名乗ったところで沈黙が流れる。 目の端にはギルマスに詰め寄られている無表情のゆうがいた。 王「君……たちは殺しの依頼を全て自分に回せと言ったが何故だい?」 意を決したように言った王の質問は予想の範囲内。 誰でも自分の手は汚したくないもののはずなのに何故?と言った気持ちが伝わってくる。 リヒト「俺たちは元々暗殺者だ。今までたくさん殺してきた」 今更何人殺しても同じだろ?言葉に込めた意味を悟ったのか苦々しい顔の王ルーラ。 王「君たちは随分若そうだし……なにも君たちが代わりにする事はないんじゃないか?」 メイト「ゆうには人殺しになってほしくなかったんだよ」 王の言ったことに即座に返した明人。 リヒト「ゆうは幸せに暮らして欲しかった」 これは俺たちの長年の願い。ハーレム野郎に振り回されることなく、幸せな生活を過ごしてほしかった。 王「君たちも幸せになるっていう選択肢はないのかい?」 なに言ってんだ? リメ「「俺たちは幸せだ」」 お互いが居るし ゆうも居る パパたちも居るし 精霊とかいろんな生き物も居る 王「……そうか、親は居るのかい?」 納得のいかないような顔をしながら急に変えられた話題。 パパたちは始まりの空間に居るし……前の世界では両親は死んでたし リメ「「いない?」」 王「……何故疑問系なのかは置いておいて……私の息子にならないかい?」 沈黙が流れる。
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1831人が本棚に入れています
本棚に追加