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学「君は何者なんだい?兄には息子にすると、明人という名前しか聞いてないんだよ」
探るような視線。苦手な視線だ。
リヒト「別に知る必要はない」
不機嫌そうにひそめられた学園長の顔。
答えたのが明人じゃないことには気づいていないようだ。
学「はぁ……もういい。私は面白くて私に迷惑がかからなければどうでもいいからね」
急にだらけ出した学園長に驚くが、顔には出さない。
学「んー君の制服はそれでいいよすごく似合ってるからね」
投げやりな学園長にこれがこいつの本性なんだと悟る。
着流しは楽だからありがたいが、それでいいのか
学「あと言うことは、えー、とこの学園は色んなランキングがあって、それの人気者には男女問わずに親衛隊がいて……近ずき過ぎたりしたら制裁とかいうのがあるから気をつけてね?」
親衛隊って……たしかゆうが前に”健気親衛隊受け萌えーー!!”って叫んでたような……。
学「あとの事は優真君にでも聞いてね?優真君の飼い主なんでしょ?」
こくんと頷く。飼い主発言は頂けないが、ゆうに聞くつもりだったからな。
学「じゃあもういいよ学園生活を楽しんでね?」
会釈して扉まで向かう。
学「あ、勘違いしてたら嫌だから言っとくね?」
呼び止められなんだと思いながら振り返る。
学「私は君が兄の子供になることに大賛成だから困ったことがあればいつでも頼るんだよ?これでも一応学園では最高権力者だから」
にこりと笑われ戸惑う。
てっきり歓迎されてないんだと思ってた。
それが伝わったのかさらに続けられる。
学「一般生徒はここにこれないけど君は来れるようにしとくから用がなくてもいつでもおいで。わたしは綺麗な子が好きなんだ」
ハートがつきそうな勢いで言われて納得する。
俺たちの容姿は綺麗な部類に入るらしいからな……。(ゆう談)
頼ることはないだろうけど……とりあえず笑っとけ。
明人がにこりと笑いなにか言われる前に学園長室を出る。
中で転けたような音がしたけど、気にしない。
学「なにあれ!?かわぃっきれっいや、きれかわ!!?」
気に、しない。俺は何も聞こえてない。
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