病んでるの、か……?

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今俺たちはゆうの案内で食堂に向かっている。 まだ学校が始まる時間には随分早いようで、職員室に行くのは後でいいらしい。 それにしても…… メイト「広いな……」 俺の思ったことを明人が言う。鳥が喋るとおかしいからな。 ユウマ「ああ、この学園無駄に広いんだよな」 移動が大変だとぼやく。 かなり歩いたような気がしてきた頃、僅かだが生徒の姿が見えだす。 ちらちらと向けられる居心地の悪い視線。 「優真様が笑ってる!?」 「はぅ素敵」 男女問わずゆうに熱い視線を向ける生徒たち。 ゆうは人気者なのか? まぁ、黙ってればイケメンに入るしな……。 ゆうに目を向けると気にした様子もなくニコニコと笑っている。 「あ、あの!優真様!」 女子の塊がいると思っていたらそこから弾き出されるように1人の生徒が近づいてきた。 ユウマ「でな?俺は……」 俺たちと離れていた時を埋めるかのように話すゆうは生徒に見向きもしない。 「あ、あのっ!」 それでも喋りかける生徒。 それを無視するゆう。 聞こえてないのか? 人当たりのいいゆうが無視する訳ないし……。 ピタリと足を止める。 キョトンとした顔で俺たちにならって足を止めるゆう。 ユウマ「?どうした?」 ゆうの顔を見つめる。 まるで生徒が見えてないみたいだ。 「ゆ、優真様!」 叫ぶようにゆうを呼ぶ生徒。 今気づいたけど様ってなんだよ。 響く声にようやく顔を向けるゆう。 その、表情に俺たちは驚く。 冷たい冷たいすべてを否定するような恨んでいるような顔。 リメ「「ゆう?」」 呟くように声が零れた。
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