病んでるの、か……?

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零れた声は騒がしくなってきた校舎に吸い込まれた。 ゆうはどうしたんだろうか? この生徒に何か恨みでもあるのか? ただこの生徒が嫌いなだけ? 人すべてがーーーー 嫌いな訳じゃないよな? 今にも泣きそうな生徒と冷たい表情のゆうの間で視線がさ迷う。 と この2人に意識を向けすぎていたせいだろうか? ドンッ 「あ、」 ぶつかった感覚と、ぶつかってきた人の焦ったような声。 着流しには下駄だろうと思って、履いている下駄のせいで不安定だった明人の体が傾く。 傾いた先にはゆう。 ゆうが居るから大丈夫か、と思って明人の肩に留まったままでいる。 自分で体制を整えれるけど、面倒くさいし受け止めて貰おうと思い倒れていく明人。 ゆうも受け止めようとしていた。 ぐんっ !? 引っ張られた腕。 ドサッ メイト「いたっ」 あまり痛くはなかったけど反射的に声がでた。 いまだに掴まれたままの腕をたどる。 体制を整えることはできたが、肩に乗っていた俺を気遣って尻餅をついた明人にすり寄る。 ごめん……。 いいよ。 腕を掴んでいたのは頬を染めこちらを睨む女子。 ああ、さっきの女子の塊か。 なんのようだろうか? メイト「……何?」 眉をひそめ首を傾げる。 明人可愛い……。 指先で頭を小突かれる。 「ッ!い、今あの子が喋ってるんだから邪魔しないで!」 「そ、そうよ!」 「優真様のなにか知らないけど近づき過ぎよ!」 口々に騒ぐ女子。 うるさっ……。 てか明人の腕離せよ。
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