黒い空間で

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ゼウス「着いたよ」 一瞬だった。 抱き上げられて数分も経っていないのに、気がつけば目の前にそびえ立つ扉。 どこか威圧感を感じる扉に、何の戸惑いもなく手をかけ開くゼウス。 俺たちは無意識のうちにハデスの黒い服を力いっぱい掴んでいた。 ハデス「そんなにビビらなくて大丈夫だぜ?」 とても柔らかい声。 宥めるように抱き直され先に入っていったゼウスの後をおう。 わ……。 扉の中は透明感のある青に包まれた王の間のようなところ。 奥の方の高くなっているところには、カップルシートのようになっている王座のようなもの。 スタスタと歩いて王座の前でおろされた。 ハデス「とりあえずそこに座れ」 ポンと背中を押し出される。 そこって、この王座のことか? 振り返るとゼウスににっこり微笑まれた。 ここに座れってことか。 おそるおそる明人と2人で王座に近付く。 高さが少し座りにくい高さでどうしようか悩む。 すると ぐっと王座の足が縮んで俺たちが座りやすい高さになった。 すごい...…。 どういう原理なんだ? メイト「りひとすわろ」 リヒト「うん」 キラキラした目の明人に言われて思考を中断した。 明人は王座に座りたくて仕方がないみたいだ。そんな俺も、座ってみたい……。 どちらともなく、ほぼ同時に王座に座った。
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