病んでるの、か……?

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風紀の登場に気づいてるのかいないのか、女子から目を離さず首を絞めるゆう。 「っ!優真!」 緑の目の青年はゆうを見るなり叫んだ。 呼び捨て?知り合いか? 「なにをしているんだ!」 ゆうから女子を引きはがそうと必死な青年。 ちょっと飽きてきたし、止めようかな。 メイト「ゆう」 静かに名前を呼ぶ、とピタリゆうの動きが止まる。 俺がゆうを呼んだことで、やっと青年は俺の存在に気づいたようで、少し驚いている。 ユウマ「め……ぃ」 情けない声で俺を呼ぶゆうを見つめる。 メイト「早く案内してくれ」 今言うべきじゃないことをあえて言ってみた。 瞬間 ドサリと女子が落ちて咳込む音。 「ひ、酷いです優真様……」 潤んだ目でゆうを見上げる女子。 可愛いと思ってるのか? ユウマ「酷いだと……?」 メイト「ゆう」 女子の言葉に再び怒りの表情を浮かべたゆうを制する。 じっと見つめると柔らかくなるゆうの表情。 癒やしの魔法をかけてみた。 ユウマ「……寝てんのか?」 メイト「?……ああ、眠かったらしい」 一瞬何のことを言ってるのかわからなかったが、すぐに理人のことを言ってるとわかった。 ユウマ「癒されるな……」 頷いて理人を見る。 可愛い……。 ほのぼのした空気が流れる。 「あー……和んでるとこ悪いがついてきてもらうぞ」 ユウマ「エリ……」 柔らかい空気に割ってきた青年。 思わず睨んでしまった俺は悪くない。 ゆうにいたっては鋭い視線を向けて名前を呼んだ。 てか、エリってゆうのお兄ちゃんじゃ…… エリ「ほら!おまえ等も散れ!邪魔だ!」 青年の言葉に散っていく生徒たち。 それを確認すると、付いて来いと言い捨てて歩き出した青年。 ついて行かなきゃ色々面倒くさそうだな……。 ため息を零して少し離れた青年の背中を追いかける。そのすぐ後ろにはゆうがついてくる。 あーもう 転校初日から面倒くさい……。
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