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しっかし遅いな。
ゆうのお兄ちゃんが奥に消えてから10分以上たっている。
なにしてんだか……。
奥から時々聞こえてくる声から他にも人がいることがわかる。
おかしいと思ったんだよな。
いくら朝が早いっていっても、デスクがいっぱいあるのに誰も座ってないんだから。
「なぁ~いんちょー」
エリ「うるさい黙れ。それに俺は委員長であって院長ではない」
「あんなぁ昨日も……お?」
奥から出てきたのはトレーを持ったゆうのお兄ちゃんと、オレンジ色の髪をした青年。
会話がなりたっていないのはわざとなんだろうか?
まとわりつく子犬のごとくうろうろしていたオレンジの青年は、俺たちに気づくと足を止めた。
「なんや、おたくら違反者か?」
小首を傾げる姿は本当に子犬みたいだ。
わしゃわしゃと撫で回したい衝動を抑えつつじっと見つめる。
ジワジワと赤くなる頬。
「そ、そないに見られると照れてまうわ……あんさんキレーやし」
……気持ち悪い。
コトリと目の前にカップを置かれオレンジの青n……子犬から目を離す。
メイト「ありがとう」
紅茶のいい香りが漂う。
エリ「俺は風紀委員長をしているエリ・ダーク。エリでいい」
「わいは副委員長のミン・……エリ「本題だが……」ちょっ!え、自己紹介くらいさせてえな!」
喚くミン……先輩(かな?)をスルーして話だすエリ。
エリ「俺と優真の関係は知ってる……ようだな。なら、今回の騒ぎの原因を教えてくれ」
優真はなにも教えてくれないんでな……と零すエリを見てどうしたものかと思う。
雰囲気てきにゆうが騒ぎを起こしたのは、これが初めてじゃなさそうだが、今回のゆうの反応が珍しいと言わんばかりの周りにどう言ったらいいものか。
正直周りに言わせれば、女子に絡まれて理人が叩き落とされただけになるが、俺たちからしたら危害を加えるものには死を、がモットーだからゆうの反応は当たり前なんだが……
ゆうと居るだけで好奇の目に晒されたんだから、生徒から見た普段のゆうの様子を教えてもらえるまで黙っていようか。
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