1831人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
精霊が通ったところから修復されていく部屋。
っていうか新品同様にピカピカになってる?
『張り切りすぎちゃって新品になっちゃった、テヘペロ☆』
お茶目な精霊に少し和んだ。
メイト「ありがとう」
微笑むと精霊は頬を染めて嬉しそうに消えた。
エリ「……今の、なんだ?不思議な魔力が飛び回ったと思ったら、部屋が……」
ミン「わいは魔力のことは分からんかったけど、優真君の耳が気になるわぁ」
呆然としたエリに、好奇心を隠さずに手をワキワキさせてる副さん。
副さんを気持ち悪いなんて、思ってない……うん、思ってない。
メイト「さっきのは精霊が直してくれた」
わ、フワフワだ。
ピクピクと動く、ゆうのフェンリルの耳は思っていた以上に柔らかかった。
エリ「精霊……?さっきの不思議な魔力が?」
頷きながら感じる疑問。
エリってたしか総帝だったよな?
なら依頼とかで精霊に会ったりしなかったんだろうか?
聞いた方が早いんだろうけど……面倒くさいし、いいや。
ミン「なぁなぁそんな事よりその耳なんなんや?触らしてぇな」
目をキラキラさせてる副さん。
メイト「え、無理」
ピシリ
空気が固まる音がした。
ミン「なななな、なんでぇな!あんさんは触っとるやん!」
いや、そんな事言われても、ねぇ?
俺もゆうも人間が好きじゃないし、自分の親友を嫌いなものに触らせるほど心広くないし?
ミン「触らしてぇな!」
エリ「ミンのことはほって置いていいから、その耳がなにか教えてくれないか?優真は……魔族なのか?」
冷たい扱いを受ける副さんがうなだれるのが目の端に移る。
真剣な目。
まるでゆうが魔族かもしれないという可能性を、少しでも信じたくないとでもいうような表情。
ま、魔族じゃないけどさ。
魔族
それはこの世界で言う人間に危害を与える知能の低いもののこと。
もちろん危害を加えない魔族も居るが極僅かだ。
俺たちもゆうも言うなら神族に部類される。
神族には天使や精霊王、聖獣がいる。
最初のコメントを投稿しよう!