病んでるの、か……?

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エリの握り締められた手が小刻みに震えているのを見て、エリはゆうをどう思ってるのか気になった。 メイト「……その質問は何を思ってしているんだ?」 心配? 殺意? 急にシリアスになりだした空気に副さんが焦っているのが見えた。 ……シリアス苦手そうだもんな。 エリ「何を思ってって……気になったから」 困惑した表情で放たれた言葉。 正面から受け止める虚無感。 所詮は義理の兄弟か。 血の繋がりがなくても心配したりするのか期待したのに。 やっぱり兄弟は兄弟でも義理、血の繋がりがない兄弟だな。 メイト「魔族ではないから安心しろ……なにかは教えない」 ゆうがフェンリルだということを教えることへの、メリットが見当たらないしな。 エリ「魔族ではないんだな?」 頷く。 エリ「魔族じゃないなら、いい」 なら、魔族だったらどうしてたんだという疑問を呑み込む。 ミン「結局その耳はなんなんや?」 メイト「教えない。てか俺今日転校初日なんだけど」 面倒くさくなったから話題を変更してみた。 エリ「ん、あぁ悪かった職員室まで送ろう……まだ聞きたいこともあるしな」 俺はないんだけどな。 そんなことより 朝ご飯……食べたかったかもしれない。今日は諦めるか……。 ミン「はよ行かな後10分でHR始まるで」 ……。 は? え、後10分とかどういうこと? 朝ご飯食べれるくらいの時間あったのに、もうそんなに時間たったのか? はぁ メイト「ゆう起きろ、案内」 ミン「いや、優真君は寝さしとい……ユウマ「ん、行くか」起きたやと!?」 心底ビックリした!というような副さんに笑いを漏らしつつゆうに目を向ける。 メイト「落ち着いたか?」 ユウマ「ああ、悪かった」 ぺたりと垂れた耳が可愛すぎる。 メイト「……ゆうしゃがんで」 ユウマ「?」 首を傾げつつ素直にしゃがんでくれるゆう。 フワフワの耳にそっと手を伸ばす。 なんでしゃがんでもらったかは……うん、届かなかったとかじゃないからな?
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