病んでるの、か……?

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職員室には入らずに、近くの応接室とかかれた扉を開く気怠げな声の人。 応接室までの道のりを見渡す。廊下は異様なほど静かですこし不気味だった。 「ダーク早く来いや、時間ねぇんだよ」 急かされたゆうは俺たちを気遣いつつ少し急ぐ。 へぇ、あの人にはちょっとだけ素直なんだ。 信頼してるのか気に入ってるのか。 どちらにせよ俺たちを優先するのには変わりないんだな。 躓いた俺を見て急ぐ様子がなくなったゆうを見て思った。 「ったくよー早く入れ」 悪態をつきつつようやく辿り着いた俺たちを招き入れる男性。 やっと見えた姿。 ボサボサの銀の髪に緑色のダルそうな目、でも魔力や身のこなしを見るに帝だな。 服装は……どこのホストだと言いたくなるようなスーツだ。 ボサボサの髪にスーツはかなりミスマッチだ。 「ほら座れ」 応接室の中にあった無駄に豪華なソファーに促されて座る。 「こりゃまた騒がれそうな奴がきたなぁ」 じろじろと見られて居心地が悪くて仕方がない。 ユウマ「時間がないんだろ」 疑問符なんて見当たらない高圧的な言い方。 すっと手で庇われたから俺たちを守るためだと気づいた。 そんなに徹底して守らなくてもいけるんだけどな。 まぁ、守ってくれるなら守られとくか……。 「ん?おーそうだった!俺はお前の担任のハクだ、お前は……えー明人だったか?」 頷く。 「そうかぁ取りあえず教室行くか。もう直、授業始まるしな」 座ってまだ数分も経ってないのにもう教室に向かうそうだ。 応接室にきた意味あったのか? ……あったか、職員室の連中にできるだけ俺の存在を知らさないためと、間接的にゆうを守るためだな。多分。 ゆうの評判はあまり(?)よくないようだから、そんなゆうと一緒にいたら注目を集めるだろう。もちろん悪い意味で。 それにゆうはあのまま職員室に居たら、きっと心無い言葉を浴びせられただろう。 俺たちを好奇の目から、ゆうは心無い言葉から守るため応接室を使ったんだろう。 正直担任がそこまで考えてるかは怪しいが、ゆうか少なからず懐いてるのを見るといい人何だろう。
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