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その気になれば、あっという間に世界を掌握する魔王様がそれをしないのは、世界を相手に遊んでるという言葉がピッタリ来る。その遊び相手である世界が魔王様という強力な存在に対抗するために、創ったともいえるのが勇者だ。自分の対極に位置付けされた存在は最高の相手となるとお思いに……いやいや、なにを考えておるのだ、ワシは。
自分の使い魔に感化されてどうすると、自分を戒めるエビルプリースト。
自分の処遇を決める言葉が、主の口から出るのが怖いのか、震えるダークフェアリー。
今日何度目かの溜め息を1つ吐き、怯えた瞳で主を見つめる使い魔に穏やかに言葉が猫の手のように柔らかくエビルプリーストは告げる。
「ワシも魔王様の様に、自分の部下を信じてみるかの」
「ご主人様ぁ~♪」
ダークフェアリーの顔にパアッと笑顔が咲く。
「べ、別にお主の為ではないゾイ」
エビルプリーストは照れながらも思う。
――たまにはこのような無駄な過ちともいえる選択もいいじゃろう。過程を楽しむのも生きてく上で大切なことじゃと。
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