勇者、誕生

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 レヴィアタンはその日のうちに赤子の勇者を攫って来た。  上級魔族達や一部の下級魔族が揃う魔王の間に魔王の言葉が大きく響き渡る。  「よくやった! レヴィアタンよ。そなたの功績に褒美をとらそう。そなたにはロレンス地方の領土を与えよう。そして、これは勅命である。アーカイムはこれより、余が管轄とするのでレヴィアタンよ、そなたにはロレンス地方の奥にある強国サァフリーヌを侵攻してもらいたい……出来るな?」  魔王の報酬と勅命にレヴィアタンは喜色満面の様子。  「有り難き幸せ。必ずや、魔王様のご期待に応えて見せましょう」  「うむ、期待しておるぞ」  レヴィアタンの誓いに魔王は満足気に頷く。  「ところで、魔王様。勇者をこれからどうするおつもりで?」  この場にいる誰もが気になることをエビルプリーストは口にした。  「そうだな、勇者はとりあえずは生かしておく。この魔王の間で当分は生活してもらおう。しかし、衰弱死されても困るな。ヤクシニーにサキュバス、そして、ダークフェアリー。そなた達で勇者の面倒をみよ。よいな?」  突然の魔王の呼び掛けにダークフェアリーはおろおろする。  「は、はいぃ~。が、頑張ってお世話させていただきますぅ~」  ヤクシニーは、傲岸不遜に笑う。  「わたくしに子供の面倒を見よと……我が贄になっても文句を言わないでくださいませよ」  サキュバスは天真爛漫に手を上げる。  「サキュバスで~す。とりあえず、淫乱なんで脱ぎますね♪ あら? 勇者は女の子なのね。いいわ、私が立派な女の子にシテ・ア・ゲ・ル♪ だから、魔王様ぁ~、魔王様のリッパなお…」  サキュバスの言葉を遮るように魔王は張りのある声で告げる。
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