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ダークフェアリーに関しての嫌な予感は今までで十中八九外れたことがない。そして、今回も外れる気がしないのがダークフェアリーの独り言から読み取れた。
「これが弓矢のスイッチに、これがタライのスイッチでしょ。これは~……んーっと、これはなんだろ? いいや、触れば分かるでしょ♪」
「ちょっ、やめ、待たんか!? いた、いたたたたたっ」
虎ばさみを必死で外し、エビルプリーストがダークフェアリーを追い掛けると、ポチッ♪ と、至る所にあるトラップのスイッチを押してしまい、小さい弓矢が胸に刺さり、頭上からタライが落ちて来て、股下から小さい噴水が湧き出たり、他にもetc――泣きそうな顔を浮かべながらも必死にダークフェアリーをエビルプリーストは追い駆けた。
「あれー? 丸太のトラップスイッチがないなぁ。どれだろ? これかな?」
「もういいから! やめっ!? ぐへぇ!!!」
最初と同じ、丸太がエビルプリーストを直撃し……吹っ飛んだ先に置いてあったのはバナナの皮。倒れまいと踏ん張ろうと足に力を入れたところでバナナの皮を踏み、転んだ頭上に再び、タライが落ちてきた。
「やったぁ♪ 3hitコンボ達成! っっキモチイイぃ~♪♪♪」
はしゃぐダークフェアリーを尻目に、エビルプリーストはワシ、泣いてもいいですか? と自問した。
相変わらず、使い魔に玩ばれているエビルプリーストを魔王はなにも言わずに玉座に座って見ている。
「今日も世界は平和なのだろうか……忌々しい」
魔王は独り、黄昏ている。
「だ、ダークフェアリー……よ」
よろよろと立ち上がるエビルプリーストを見て、慌ててダークフェアリーが駆け寄る。
「ご主人様!? 大丈夫ですかぁ~? なんかひどい状態ですね……お漏らししてるし……きちゃないなぁ~」
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