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「誰のせいじゃと思っておるんじゃ! 第一、これはお漏らしじゃないわい!!! それにその『罠の首輪(初回限定版)』というのはどこから入手したんじゃ!」
ダークフェアリーは悪びれた様子もなく、誇らしげに胸(小さい)を張って元気に答えた。
「え~っと、私がもっと他の妖精達より、派手で楽しいイタズラがしたいなぁと悩んでいたところを魔王様に相談したら、こ~んな素敵アイテムを戴けました~♪」
「……そ、そうか。はぁ~」
魔王が絡んだ事柄のせいかエビルプリーストは怒るに怒れず溜息だけついた。
「お主はもうちっと、女の子らしく、おしとやかさを身に付けて欲しいのう。イタズラに夢中になると周りが見えなくなるのは悪い癖じゃぞ」
主人であるエビルプリーストの叱責に、流石にやり過ぎたと感じたのかダークフェアリーは罰が悪そうに謝る。
「ごめんなさぁ~い。けど、これが私の生き甲斐ですから、それを無くしたら私が私じゃなくなると本能が告げるんです。だ・か・ら、楽しければいいじゃんって囁く本能に従いま~す♪」
「そ、そうか……まぁ、ほどほどにじゃぞ」
本能の赴くままに。魔族の本質といえば仕方のないこと。被害を被るエブリプリーストは既に諦観の境地に達している。
実のところ、その本能を押さえつけることも可能だ。ダークフェアリーは本人が口にしてる“御主人様”が示すとおりエビルプリーストに使役されている。エビルプリーストがその気になれば、本能を押さえつけて意のままにすることも可能だ。
それを行わないのは偏(ひとえ)に魔王の存在であろう。
魔王がその気になれば、エビルプリーストの本能どころか身体も心も自由に操れるのだから。ただ、命令をこなすだけの存在に成り下がるだけだ。
主が行わないことを配下である自分がするわけにはいくまいとエビルプリーストは心に誓いを立てている。
仮令、その誓いが無かろうともダークフェアリーの自由を奪うことはしないであろう。
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