37人が本棚に入れています
本棚に追加
「…そ、それで、これはどういう仕組みじゃ?」
「これですかぁ~? これは私がイタズラを仕掛けたい場所に右手で触れるとこういう風にスイッチが出来るんです」
ダークフェアリーが右手で床に触れると、そこに小さいスイッチが出来ていた。
「このスイッチを押すとなにかのトラップが発動するんで~す♪ 押してみます?」
「いやいいワイ」
喜色満面なダークフェアリーの提案をエビルプリーストは即答で断った。
「そうですかぁ? 残念です。私のイタズラ回数が重なれば重なるほど、強力なトラップが出現すると教わったから、頑張り屋さん中です! ホントにありがとうございました♪ 魔王様」
「え、ああ、そう? う、うむ。喜んでくれたなら余も嬉しい」
「はい♪ とっても満足ですぅ……あ! そうでした。魔王様、勇者がアーカイムの城で誕生したみたいですよ」
「……あ~~!!! それ、ワシの台詞!」
さらりと告げるダークフェアリーになにか言いたいのかエビルプリーストは口をパクパクと開け閉めする。
「そういうのは溜めて、勿体つけて言うのが基本であろうに……空気を読んでほしいワイ。……って思ってるんでしょうねぇ、イマドキは簡単に解りやすくが基本ですょ~」
言いたいことが当てられたのかエビルプリーストが驚嘆する。それを見て、ダークフェアリーがニヤリと笑った。
「……こほん、もういいかな?」
魔王の咳払いで我に返ったエビルプリーストは言い慣れた決まり文句を――。
「いかがいたしますか? 魔王様ぁ」
自身の使い魔であるダークフェアリーに台詞を奪われた。
最初のコメントを投稿しよう!